メンタルヘルス不調と予防法

茨城・いわきを中心に、企業の労務管理を支えるあすか社会保険労務士法人です。今回は、メンタルヘルスについて解説を行います。従業員のメンタルケアに悩んでいる経営者や担当者の方は、是非参考にしてください。

メンタルヘルスとは

身体ではなく、精神的な健康状態のことをメンタルヘルスと呼びます。メンタルヘルスの不調は、うつ病や睡眠障害など、様々な症状となって表れ、従業員のパフォーマンスに悪影響を与えます。また、厚生労働省の「労働者の心の健康保持増進のための指針」におけるメンタルヘルス不調の定義は次の通りです。

“ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むもの”

参考:厚生労働省「労働者の心の健康保持増進のための指針」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf

メンタルヘルス対策の重要性

メンタルヘルス不調による精神障害は、従業員の仕事におけるパフォーマンスを低下させるだけではありません。不調が一時的なものであれば、問題ないかも知れませんが、不調状態が継続すれば、従業員の休職や退職に繋がってしまいます。

少子高齢化による労働力人口の減少が続く日本において、従業員の精神障害による休職や退職は、企業にとって大きな痛手となってしまうでしょう。そのため、企業において、従業員の精神的健康を確保するメンタルヘルス対策は、年々重要性を増しています。

メンタルヘルスの3つの段階

企業が行うメンタルヘルス対策には3つの段階があります。本項では段階ごとに項目を分けて解説を行います。

一次予防

一次予防では、ストレスなどによる精神障害の発生を未然に防ぐことを目的としています。具体的な取り組みとしては、ストレス緩和ケアやストレスマネジメント研修の実施、ストレスチェック制度の導入などが挙げられます。

二次予防

二次予防は、精神障害の早期発見を目的として行われます。社内における相談窓口の設置や産業医との連携を行うことなどによって、従業員の精神的異変の早期発見が可能となります。また、外部専門家によるカウンセリングの実施なども、早期発見に繋がる施策です。

三次予防

三次予防では、精神障害により休職した従業員の職場復帰支援を行います。職場復帰支援プログラムを策定したり、職場復帰支援プランを設定したりすることによって、復職しやすい職場環境構築を目指します。三次予防を行えば、休職を余儀なくされた従業員の職場復帰が容易になるだけでなく、再発防止効果も期待できるでしょう。

4つのメンタルヘルスケア

厚生労働省の指針においては、4つのメンタルヘルスケアを適切に行うことにより、メンタルヘルス対策を進めることが必要であるとしています。本項では、4つのメンタルヘルスケアについて項目ごとに解説を行います。

セルフケア

従業員が自らケアを行える環境を構築することをセルフケアと呼びます。教育研修の実施により、ストレスやメンタルヘルスケアに対しての理解を深めることなどを内容としています。また、ストレスチェック制度の導入もセルフケアの1つです。

ラインによるケア

ラインによるケアでは、部課長などのライン管理職によって、部下である従業員の精神状態の把握を行います。従業員の精神的異変の早期発見や、相談対応、職場復帰支援などがその内容です。

事業場内産業保健スタッフによるケア

企業内に専門の産業保健スタッフが存在する場合もあります。事業場内産業保健スタッフによるケアでは、企業内の産業保健スタッフが従業員や管理監督者に対して、サポートを行うことでセルフケアなど他のケアを効率的に推進することを目的としています。

事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアでは、事業場外資源である外部専門家を活用します。地域の病院や診療所など、外部専門家を活用することで、従業員の治療や職場復帰の支援を行います。
導入は一次予防から

既に解説した通り、メンタルヘルス対策には、3つの段階があります。その中でも一次予防であれば、中小企業でも導入しやすく、効果も期待できるものとなっています。

中小企業では企業内に専門家がいない場合も多く、専門的なプログラム策定やプランの実施は困難です。一方で一次予防において行われるストレスチェック制度の導入や、研修の実施などであれば、従業員と企業が協力して進めることも可能となります。まずは、実施しやすい一次予防から始め、職場環境の改善を目指しましょう。

メンタルヘルスでお悩みなら

「メンタルヘルス対策の重要性は理解できるが、何から始めれば良いのか」
「外部の専門家をどのように活用すれば良いのかわからない」
「休職した従業員が上手く職場復帰できるか不安」
「なるべくコストを掛けないメンタルヘルス対策はないのか」

上記のような悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。メンタルヘルス対策は、離職率の低下やパフォーマンスの向上に繋がる重要な施策となっています。しかし、効率的な対策を行うためには、知識が必要であることもまた事実です。

あすか社会保険労務士法人では、メンタルヘルスに関して専門的な知見を持ったスタッフが多数在籍しています。メンタルヘルスに関してのお悩みがあれば、是非お気軽にご相談ください。

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